三越伊勢丹が発行している、MI(エムアイ)カードというものがあります。
通常カードは年会費2000円+税、ゴールドカードは10000円+税で持てるものです。
これが、2016年4月からポイントサービス制に移行したのですが、同時にANA/JALとのポイント相互交換を開始しました。はてさて、これは陸マイラーにとって喜ばしい話なのでしょうか。
エムアイポイント
これまで、MIカードは使用時に割引が出来るというカードでした。支払額そのものが減ってお得、ということですね。それが、4月の改定では支払額に応じたポイントを付与するというシステムに変わりました。ヨドバシカメラやビックカメラなどの家電量販店方式ですね。
さてその還元率たるや。通常で5%もポイントバックされるのですが、1年間(入会〜翌年翌月)の利用額に応じて還元率が変わります。
- 年間 30万円未満利用… 5%還元
- 年間 30万円以上利用… 8%還元
- 年間100万円以上利用…10%還元
毎年コンスタントに100万円の支払いがある人は、常に10%の還元があることになります。*1
このポイントは1ポイント1円で使えるほか、以下のレートでANA/JALのマイルに交換する事が出来るようになりました。
- 3000ポイント→1500JALマイル
- 2000ポイント→500ANAマイル
(※その年度で20000ポイントを超えた分は2000ポイント→250ANAマイル)
陸マイラーにとって
さて、本題です。 上記のレートをみると、ANAのルートはかなり損です。
ただでさえ1/4に減らされてしまう上に、年間5000マイルを超えると1/8にまでされてしまいます。
一方JALルートは半分になるので、マイル的にはpontaポイントと同価値になります。こちらは、年間の交換制限がないので、JALマイラーにとっては使い勝手が良さそうです。
特に、年間100万以上三越伊勢丹系列で使う人は常に10%のエムアイポイントがつくことになるわけですから、その時点で年間10万ポイントあるわけです。
JALマイル換算で5万マイル。驚きのマイル還元率5%をたたき出します。スゴイ!
余談ですが、このJALマイルは年間2万マイルまで、0.9倍の率でANAマイルに交換する事が可能です。40000ポイントが18000ANAマイル、4.5%とこちらも高還元率。
その詳細は以下の記事をご覧ください。
問題点
さて、かなりのマイル高還元率が期待できるこのエムアイカードですが、問題点もあります。
まず一つが、年間100万円の壁。ポイント還元率10%を得るには伊勢丹系列だけで年100万円使う必要がありますが、なかなかハードルが高いです。
ただし、これには解決策が2つあります。
- 家族カード
- ファミリー登録「つながります」
家族カードは年会費無料*2で4人まで持てます。各人の利用合計額で還元率を判定する上、皆が同じ還元率を得られると言うものです。1+4名フルで使えば、年100万円はいけるかもしれませんね。
ファミリー登録「つながります」は家族カードではなく、別名義の本人カードを持っている2親等以内の家族と、同様に利用額と還元率を統一できるサービスです。原則2人揃っての店舗での申し込みが必要ですが、親子や兄妹がそれぞれの家庭で使う額を合わせられるのなら、これも年100万のハードルは下がります。
もう一つの問題点はポイント加算対象商品が幅狭い事です。
仮に三越伊勢丹で何かを購入しても、1品3000円(税別)未満だとポイントは1%しかつきません。また、喫茶やレストラン、食料品はそれだけで1%です。
更に、セール品、福袋、送料、お仕立て代、加工料、修理代、箱代、一部のブランド、特定商品などは特典対象外となるため、ポイントがつきません。ルイヴィトンやエルメスなど、有名ブランドものは大体ダメだそうです。高価なブランド物にポイントがつかないのは、気持ちは分からないでもないですが…。
まとめ
そうなると、高還元率もその恩恵に与れるのは難しくなります。年間利用額にはポイントがつかないものもそれに含まれるので、100万円を達成するのにはブランド物を買うのが手っ取り早いでしょうが、他のクレカで購入した方がポイント的には得ですしあまりメリットはなさそうです。
またMIカードは三越伊勢丹以外の店では基本的に0.5%(ゴールドカードは1%)しか還元がありませんから、余所で使うのも損です。
先ほどはJALマイル還元率が5%と書きましたが、一般的な使い方をした場合はそれよりかなり低いものになるんじゃないかなと思います。
三越伊勢丹は今後Tポイントカードの導入もあるそう(200円で1ポイントの情報)なので、一部のユーザーにとってはオススメできるのかも知れませんね。ただ、たまにしか利用しない人は、他のカードを使った方が良いでしょう。